
ケトン体とは
私たちの体内で脂質から作られるエネルギー源
ケトン体は私たちの体内で脂質から作られるエネルギー源です。人類は原始の時代から、このケトン体をメインのエネルギー源として活用して生きてきました。
ところが、現代では糖質からのエネルギーをメインに活用するようになっています。私たちの体は過剰な糖質に対応できないために、身体中に炎症を起こしています。
ケトン体の特徴
- エネルギー源としての役割
- 人間には2つのエネルギー源があります:
- 糖質を消化して最終的に作られるブドウ糖
- 脂質から作られるケトン体
- 糖質摂取が少ない状態では、ケトン体エンジンがメインで稼働します
- 人間には2つのエネルギー源があります:
- 体内で作られる天然の薬のような物質
- 体の炎症を抑える抗炎症作用
- 心臓や腎臓を保護する作用
- 神経を保護する作用
- 医療への応用
- 癌、認知症、難治性てんかんの治療に活用されている病院もあります
ケトン体質とは
ケトン体質とは、脂肪を効率よく燃焼する体質のことを指します。現代の糖質の多い食生活は、ケトン体を活用しにくく、ケトン体があまり作られない食事パターンになっています。
ケトン体のメリット
研究によって、ケトン体には体に優しい様々な作用があることが確認されています:
- 炎症を抑える
- 心臓を保護する
- 腎臓を保護する
- 神経を保護する
これらの特性から、ケトン体は単なるエネルギー源としてだけでなく、健康維持や病気の予防・治療に役立つ可能性を持っています。

オートファジーとは
私たちの細胞内の自己浄化機能
オートファジーは、私たちの体の約37兆個ある細胞すべてに備わっている重要な仕組みです。
「自分(オート)を食べる(ファジー)」という意味のこの機能は、細胞内の不要物を回収・分解し、リサイクルするシステムとして機能しています。つまり、細胞の自己浄化機能です。
オートファジーの仕組み
- 「隔離膜」という平たい膜が形成される
- この膜がパックマンのように細胞内の物質を包み込み「オートファゴソーム」という袋状の球体になる
- 消化酵素を含む「リソソーム」と融合して「オートリソソーム」になる
- リソソームの酵素によって回収物が分解される(例:タンパク質→アミノ酸)
- 分解物は、小さな穴から外に出て再利用され、エネルギーや新しいタンパク質の合成に使われる
オートファジーの重要性
オートファジーは「細胞の新陳代謝」に大きく貢献しています。皮膚が垢となってはがれ落ち新しい細胞に入れ替わるように、オートファジーは細胞内部の成分を常に入れ替え、新鮮な状態を維持しています。
私たちは毎日約70gのタンパク質を食事から摂取していますが、それとは別に体内では約240gものタンパク質が作られています。この240gは主にオートファジーなどによって細胞内のタンパク質を分解・リサイクルして生成されています。
研究によると、このオートファジーによる細胞内容物の入れ替えが行われないと健康を維持できないことがわかっています。オートファジーを止めたマウスの実験では、生活習慣病や心不全、アルツハイマー型認知症など様々な病気が発生しました。
オートファジーは私たちの健康維持に不可欠な、細胞レベルでの「掃除・リサイクル」システムなのです。なお、このオートファジーの研究は2016年のノーベル生理学・医学賞で注目を集めました。
食事の間隔が開き、体内に栄養が入ってこなくなることで、このオートファジーが働き始めます。そのため、16時間ほどの食事の間隔を開けることがポイントです。